教育現場での導入例

学校改革にTCプログラムが役立つ

 三重県立高校に勤務し、県下の教職員を中心とした「みえコミュニケーション教育実践会」で活動を続けてきたTRUE COLORS JAPANファシリテーター、向井典子がレポートします。

これまでに、私は教員や県職員、精神保健福祉士など人と関わる仕事をしている人たちにTRUE COLORS(TC)の講座を実施してきました。
参加した教員からは「同僚や生徒との関係に役立つ」、県の職員からも「住民とのやりとりが楽になった」という声が届いています。そして私自身が何より実感しているのは、自分の職場でのTCの有効性です。 

同僚の行動に戸惑いを感じたら

勤務先の学校でTCの研修を行ないました(TCは18歳以上を対象にしたプログラムなので、参加者は教員)。
研修の場だけでなく、その後もずっと4つのカラーが職場のメンバーの『共通語』になっていくところが、このプログラムの大きな効果です。

校内には、学年団や校務分掌と呼ばれるさまざまなチームがありますが、あるとき私のチームのメンバーが他のチームの人から少し感情的に問題を指摘されたことがありました。突発的なトラブルに対する対処へのクレームです。

ふだん、こういうことがあるとチーム内では「どうしてあんな言い方をするんだろう! こっちにはこっちの理由があるのに!」と不満がたまりがちです。
でもこんな時こそTCを使ってみます。

メンバーの間で「今回の発言はゴールドから来ているのか! じゃあ、これからの見通しをはっきりさせて、もう一度説明してみよう!」と相談しました。
ゴールドは責任感が強くて堅実、計画や手順を大切にします。そのため、次の予測がつかない混乱状態は、とても不安なのです。その不安が感情的な表現になって出たのでしょう。

相手の「気になる行動」ではなく、「大事にしている価値観」に焦点を当てて話すことにより、視点はマイナスからプラスへ転じ、感情はいったん横へ置かれ、冷静に対処することができます。
さらに、「この行動はこのカラーから来ているのか!」と気づくことで、不満や怒りの感情が、相手を理解できたことへの安堵に変わっていくのです。
こうしたほんの少しの心の余裕は、その後の行動の変化へつながります。

上司にどう伝えるか

事前に作戦を立てることもできます。
たとえば若いメンバーが上司に新しい企画を提案しに行く場面。チームで作戦会議をします。グリーンの相手にうまく伝えるためには、どんな情報が必要か、どんな切り口で伝えるか……。
上司との関係が変わるだけでなく、チームとしてこの企画の目的が何であり、成功させるために何が必要で、誰がどんな役割を担うのか、全員で共通認識を深めることにもつながり、一石二鳥です。

その後に受講したTC応用講座2(現「チームワークとリーダーシップ」)では、リーダーとしてメンバーの持ち味や能力を引き出し活かせているのか、メンバーが目的やゴールを共有できているか、TCを通してチームの状態を考えることができました。

もともと持っている本来のカラーと組織の中で求められるカラーをうまく扱い、お互いの「違い」をプラスに生かしていきたいと思います。
どうか多くの組織にTCが導入され、素敵な職場が増えますように……!

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